理事長あいさつ

 正しい診断と、新しい薬剤や免疫療法などの開発などで、およそ80%の小児がん患者さんに、治癒が期待できるようになってきました。治療を終了した小児がん患者さんは年間2000人程度いらっしゃるのですが、社会人として自立する際に、生命保険加入の問題に直面することがわかってきました。
 そこで、新潟県の患者家族と医師たちによって、2005年6月にハートリンク共済が設立されました。白血病などの小児がんを克服し、現在、健康な学校生活や社会生活を営んでいる経験者の方々が申し込むことが可能となる新たな保障制度を設け、お互いに助け合うことを目的とした日本唯一の組織です。
 この共済によって、小児がん経験者の方々が、安心して仕事に取り組むことができ、家庭を築き、社会的に自立できることを応援しています。加入者の小児がん経験者の方のみならず、支援していただける皆様と共に、この共済制度を育てていただき、小児がん経験者の社会保障の充実につながることを期待しています。
 私たちは、小児がん経験者が一人でも多く自らの夢をかなえ、みんなで未来を支えることのできる豊かな社会を作ることができるよう、これからも精進したいと思います。
 皆様の温かいご支援をお願いいたします。

2023年6月

ハートリンク理事長 松本公一(まつもときみかず)